BACK
ギョーカイ徒然日記

徒然日記
取材後記<某女性シンガー編>

毎月何組かのアーティストにインタビュー取材をさせていただいているのだが、
その度に必ず思うことがある。
アーティスト側の取材に臨む姿勢について、である。
冒頭で記したとおり、こちらはいつも、
取材をさせていただくという姿勢で現場に向かう。
だけどアーティスト側(アーティストとスタッフ)は一様ではない。
取材していただく姿勢の人もいれば、
取材させてあげる姿勢の人もいる。
取材は本来、する側もされる側も対等であるべきだと思う。
なぜなら、音楽業界は、
アーティストとメディアがもちつもたれつの関係でなりたっているのだから。
例えばアーティストと雑誌の関係でいえば、
アーティスト側は、作品や自身の存在を雑誌で宣伝していただき、
雑誌側は、アーティストに登場していただくことで、読者の購買意欲を刺激する。
だけど一般的には、
新人のうちは取材していただき、
ヒット曲に恵まれてビッグネームになった途端、
取材させてあげる立場に変わるケースが多い。
その構図はわからないでもないが、
お互いが貴重な時間を割くわけだから、
ともにメリットになるように気持ちよく話ができればいい。
そうできたかどうかで、取材後の気分は全然違ってくる。

先日、とある女性ボーカリストに初めて会った。
以前はグループで活動していた人で、
ソロになってからもそれなりに時間が経っているのだが、
まだ20歳にもなっていない。
インタビューはあたりさわりなく終わったように思えた。
だけどその人は、
取材後の写真撮影が終了したあと、
カメラマンの「ハイOKです」の声とともに、
お付きの人を従えて控室に消えた。
ひと言も発することなく…。

年齢のせいなのか、
それとも、10代の前半から大人社会でチヤホヤされてきたせいなのかはわからない。
どうみても、取材させてあげているような素振りにしか見えなかった。
それで(こちらの)取材後の気分がいいワケがない。
しかもその直後、
アーティストに付いていたヘアメイク氏、スタイリスト氏(ともに男性)が、
名刺を持って挨拶にやってきた。
そこまではよかったのだが、
名刺交換の段になっても、
ガムをクチャクチャ音を立てて噛んだままだ。
印象の悪さに拍車をかける。
それどころか、感じ悪いにもほどがある。
いくら(そこそこ)売れているアーティストを手がけていても、
人としての礼節に欠けているようでは始末が悪い。
このアーティストにしてこのスタッフ。
類はともを呼ぶということか。

思えば、
レコード会社の宣伝スタッフも、
事務所の現場マネージャーも、
われわれ取材陣が現場についた際、
前の取材陣と1つしかないテーブルを陣取って、
こちらに一瞥をくれることもなく、ハンバーガーを頬張りながら談笑したままだった。
「ちょっとお待ちいただけますか?」
のひと言もないまま…。

ヒットは各方面にさまざまな勘違いをもたらす。
その勘違いを指摘してくれる有能なスタッフがいないことが、
可哀相ですらある。
急成長を遂げたマネジメントオフィスやレコードメーカーは、
勢いの助けも借りて金儲けはそれなりに上手くやれても、
しっかりとした人材の育成は下手くそのようである。

どんな業界も所詮は人間関係で成り立っているようなものなのに。

J-POP 花前線編集部/Nk

BACK NEXT