BACK
ギョーカイ徒然日記

徒然日記
<掲示板の意見に寄せて>

7月に入ってから当サイトの掲示板が突如賑わいだしました。
論点の核は、このサイトの方向性やスピリッツに関して。
肯定的な意見、否定的な見解、耳に痛い辛辣な内容のものまで、
様々な考えを知ることができて感謝しています。
ただ、熱く議論していただくぶんにはいいのですが、
中には、言葉尻だけをとらえて難癖をつけるような、
核心から離れた表面的な書き込みや、
個人攻撃ともとれるクダリもあって、
少し心が痛んだことも事実です。
特に、
個人に対する誹謗中傷を拒む本人が個人を誹謗中傷している書き込みなどは、
読んでいて気持ちいいものではなかったのですが、
その熱くエネルギッシュなバトルの中から、
参考にすべき更なる鋭い意見が出てきはしまいかという期待もあり、
失礼を承知であえて静観させていただきました。
(意見が匿名であるため、
真の意味で個人が傷つけられたこととは、
ニュアンスが違っている気もしますし)
申し訳ありません。
書き手が本人とは別人格にもなり得る匿名性とは怖いもので、
表現の自由と言葉の暴力とが紙一重であることをあらためて痛感させられました。

で、話がそれてしまいましたが、
論点となっていた当サイトの客観性や公平性に関して。
結論から言えば、
サイトの編集スタッフも自分なりの趣味趣向を持った人間である以上、
絶対的な客観性などありえないのかも知れません。
が、われわれは、そうした個人的趣向をひとまずのみこんで、
客観的視点に限りなく近いスタンスで、
それぞれの作品に触れているという自負はあります。
20年近く音楽ジャーナリズムの世界で生きてきたことで培った、
目、耳、あるいは嗅覚や皮膚感覚にも自信があります。
それはなにも、
「良いもの」と「そうでないもの」を区別しようとしているわけではなく、
「志の高いもの」と「そうでないもの」を見極めようとしているだけなのです。
毎年何十何百とデビューする新人アーティストを例にしてみます。
その中には、
心の内側から沸き起こる抑えきれない衝動を音楽に託すべく、
曲を作り歌う人もいれば、
グラビアでちやほやされたいだけだったのに、
事務所の方針で歌手デビューさせられた人もいるし、
アルバイトをしていたカラオケスナックで、
たまたまレコード会社のスタッフに見初められて、
何が何だかわからないままデビューしちゃった人までいるワケです。
(まぁこれは極端な例ではありますが)
そうした背景まで嗅ぎわけることのできる感覚器は備えているつもりです。
音楽は、どれだけ多くの人の心に響くかが肝要だと思っています。
なのに今は、どれだけ多くの人の心に響くかより、
響かなくてもたくさん売れるほうが正義であるかのような構図が出来上がっています。
そのため、もっとたくさんの人の胸に響いてしかるべき作品が、
話題性の強い作品の影に隠れてしまうケースも少なくありません。
だからこそ当サイトでは、
有名無名、事務所の力関係、タイアップのあるなしに関わらず、
届けられる音楽作品を平等に扱い評しているのです。
ガイドに記してあるのは、その意味においての「公平」なのです。
だけど、一般的な音楽雑誌にはそれがありません。
売れているアーティストは大々的に扱い、
そうじゃない人はそれなりの扱いです。
雑誌を作り売ることもビジネスである以上、
そうせざるを得ないこともわかります。
しかも今は雑誌が売れない時代です。
売れないということは、
雑誌の生命線は広告収入にかかっているといってもいいでしょう。
すると広告主に対する恩義を褒め記事にして返すことになります。
音楽雑誌の記事がどれも肯定的なのはそのせいです。
つまり記事の褒め方やページ数をお金で買っていることと大差ないわけで、
内容的にも公平とはいえないでしょう。

音楽の影響力を信じ、音楽をこよなく愛する者の一人として、
キラリと光る才能やセンスが、一部の流行歌とそのプロパガンダの狭間に埋もれて、
きちんと評価されていない音楽シーンの現状を憂える気持ちが強いあまり、
少々長くなってしまいましたが、
当サイトのガイドにある文言は、
我々が大上段に構えていることを表したものでは決してなく、
姿勢をわかりやすく伝えたかっただけなのです。
それが誤解を招く引き金になっている以上、
見直しをしなければいけないとは思いますが、
「客観」や「公平」などの字面の意味に固執するのではなく、
このサイトが、
音楽シーンがビジネス的側面だけではなく、
クォリティや影響力においても、
もっともっと活性化してほしいがためのものである点を、
汲んでいただけたら幸いです。

この件に関してはまだまだ言いたいことがたくさんありますので、
時期を見計らってお伝えしようと思います。
(決して逃げているわけではありません)

J-POP 花前線編集部/Nk

BACK NEXT