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ギョーカイ徒然日記
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いろんなアーティストにインタビューしたり、
雑誌のインタビュー記事を読んだりすると、
“別に(チャートで)1位をとるために音楽をやってるワケじゃないから…”
などというアーティストのコメントに出くわすことが多い。
もちろんポーズではなく、本音だと思う。
だけど、
そんなアーティストの思いとは裏腹に、
レコード会社側の人々にとっては、
“1枚でも多く売りたい”“是が非でも1位をとりたい”
というのが本心なのだろうと思う。
利益を追求する企業体としては当たり前の発想だろう。
ただ、このところその意識が強すぎる気がしてならない。
知り合いの編集者(音楽担当)から面白い話をきいた。
桑田佳祐がリリースしたアルバム『ROCK AND ROLL HERO』が、
同じ週に発売されたMISIA の『KISS IN THE SKY 』(1位)の後塵を拝する結果とな
り、
宣伝スタッフが青ざめているらしい、と。
あくまでも伝え聞いた話なので、ことの真偽は定かではない。
だけど、キャリアや実績、話題性、そして内容からしても、
1位をとっておかしくない作品なだけに、
思惑どおりにいかなかったレコード会社スタッフが受けたショックにも十分頷けた。
でも一般的に、セールスチャートの順位がクォリティの順位ではないのだし、
アーティスト自身も(1位に)執着して作品を作っているわけではないと思うから、
そこまで固執しなくても…と思うのだが。
しかし一方で、
その順位は一所懸命に宣伝したかどうかの評価に結びつく部分もあり、
宣伝マンに対する成績表的側面もある、と言ってたプロモーターもいたことを考えると
当事者にとっては気が気ではないのもわかる。
だけど、気が気ではないところに、
アーティストの所属事務所に対する体面を保てなくなる点を
気にしているようにも見えるから滑稽なのかも知れない。
今回のMISIA 、桑田の件に関して言えば、
桑田作品には、後々ベスト盤のリリースを控えていることもあってか、
昨年夏&冬のヒット曲は収録しておらず、
一方のMISIA のアルバムには、
B'z の松本孝弘とのコラボレーション作品をはじめとする
インパクトの強い楽曲を従えていた。
その差が順位の明暗を分けたのだと思う。
売る側の傲りなど通用しないほど、ユーザー(消費者)は正直なのである。
1位をとることの“箔”が及ぼす影響力は、
我々の想像を越え、はるか広範囲にわたっているのかも知れないが、
売れるものを良しとし、売れないものは早めに見切る、という姿勢には、
やはり疑問を覚えてしまう。
かつてのレコードメーカーは、
文化創造の一翼を担っているという意識が今よりは強かったせいか、
売れないが損もしない(リクープラインぎりぎりの)アーティストを
何組も抱えていた(もちろん売ろうという努力はしていたが)。
だけど今の風潮は違う。
不景気が持久力を阻害している部分もあるだろうが、
利益の見込めそうなアーティストだけを偏重している気がしてならない。
すべてのメーカーがそうだとは思わないが、そんな空気を濃く感じる。
売れることが正義とは思わないといいながら、
売って正義をひるがえす姿勢には閉口してしまう。
この考え方、やはりキレイごとなのか?
決して古臭いとは思わないのだが…。
by J-POP花前線編集部